goo BLOG利用規約変更へのツッコミ

goo BLOG利用規約についての騒動は、静観していましたが、goo BLOG利用規約の一部変更に関するお知らせ (2004年3月11日)にちょっとツッコミ。

インターネットユーザから価値あるコンテンツを発信するブログは、今後ますます重要度を増すであろうと考えております。優れたコンテンツをより多くの方々に知っていただくようgooでは取り組んでまいりますが、その手法として、利用者のブログから記事およびコメントをgoo BLOG内はもとよりgooの他のサービスで引用させていただくことを検討しております。

上記を実施するに当たって著作権は弊社に必要と考えておりましたが、複製権および公衆送信権等の上記権利を弊社に許諾していただければ、著作権を弊社に帰属させることは必ずしも必要ではないと判断し、上記当該箇所条文の通り、著作権は利用者に帰属するという内容に規約の変更を行いました。

しつこいようだが、著作権法32条の引用なら著作権者に無断で行えます
gooが考えていたのが本当に「引用」なら著作権をgooに帰属させる必要はありません。
しかし、今回改訂された利用規約でも、「引用」であるなら著作権者の許諾が不要なものについても、会員が許諾したものとする、というようになっています。

第10条(著作権

1.本件情報のうち、記事及びコメントにかかる著作権は、当該記事又はコメントを投稿した会員に帰属するものとします。但し、会員は、本サイト及び当社が単独で若しくは第三者と共同で運営するその他のWEBサイトの運営の目的に限り、当社に対して対価の請求をすることなく、以下に定める権利を当社に対して許諾することを予め承諾します。なお、当該権利許諾は、会員が本サービスを利用する資格を喪失した後においても、有効に存続するものとします。
(1)会員が投稿した記事及びコメントの全部又は一部を複製する権利、公衆送信する権利、編集する権利、改変する権利及び翻案・翻訳する権利

著作権法32条の引用であれば、複製する権利、公衆送信する権利、翻訳する権利を著作権者が許諾しなくても、行うことができます。
まず、引用は「複製」を伴う行為なので、引用に伴う複製には許諾が不要です。
また、引用を行う際に「翻訳」を行うことも認められています。例えば、英語の論文を日本語の論文に引用する際に、日本語に翻訳して引用することができますし、その際に、著作権者の許諾は不要です。
さらに、「引用」を行って作成した新たな著作物には、「引用」元の著作権者の著作権は及びません。例えば、Aという論文を引用しているBという論文を複製する際に、Bの著作権者の許諾は必要だが、Aの著作権者の許諾は不要ということです。なのでgooが会員の投稿を「引用」して新たな著作物を作成した場合、その新たな著作物を公衆送信する際に、会員の許諾を得ることなしに、行えます。
以上のように、複製する権利、公衆送信する権利、翻訳する権利がなくても、著作権法32条の引用であれば、全く問題なく行えます。
(なお、編集・改編・翻案を行った場合は「引用」には該当しないので、当然許諾が必要です。)