Q&A文芸著作権つっこみその1

Q.個人が著作物を私的に使用するためにコピーすることはできないのですか?

A.著作権法第30には、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」という条件付きで、私的使用のためのコピーを認めています。ただし、営利目的の業者に依頼してコピーすることはできませんし、コンビニに置いてあるような自動コピー機を利用することもできません。

この説明は間違いである。
まず、著作権法三十条を見てみよう。

(私的使用のための複製)
第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
(以下略)

一に示されている「公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器」にコンビニのコピー機も含まれる。
この条文だけ見ると、文芸家協会の言うとおり、コンビニのコピー機で取ることはできない、と思うでしょう。
しかし著作権法附則第五条の二で次のように定められている。

(自動複製機器についての経過措置)
第五条の二 新法第三十条第一項第一号及び第百十九条第二号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。

(昭五九法四六・追加、平四法一〇六・一部改正、平十一法七七・一部改正)

この附則は「公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器」には、「専ら文書又は図画の複製」のための自動複製機、つまり、コピー機は含まれない、ということである。
つまり、コンビニのコピー機で私用のためにコピーを取ることは、何等違法行為では無い。コピーを取ってかまわないのである。