番外編 ず・ぼんの座談会より
3回目で書いた(id:copyright:20030827#p1)図書館が純文学を買い支えるべきだとの三田氏への主張については、既に「ず・ぼん」の座談会で反論*1がなされている。
例えば18ページ。
沢辺…でも、専門書の出版社からの「図書館で必ず一冊買ってくださいよ。そうすればこういう本を出せるんですよ」っていう要求に応えたりしたら、なんか指定席の公共事業みたいな感じがしません? 護送船団方式とかさ。
続いて23ページ。
斎藤…われわれが向いているのは出版界じゃなくて、利用者ですから。利用者にとっての情報提供として必要だから、「これは買いましょう」っていうふうになるかどうかですよね。五〇〇〇円の本でも、「この本なら使えるぞ。じゃあ、小説やめて買っとくか」みたいなね。ということがひいては出版文化を支えるということになっているかもしれないけど、じゃ出版文化を支えるために、「特定の出版社の本は全部買うんだ」みたいなことではないなという気が私はする。
上記の二つの発言では、「特定の出版社」の本を買うことが図書館の使命ではない、と言っていますが、それを「純文学」に置き換えれば三田氏への反論としてなりたちます。
図書館は作家や出版社のためにあるのではなく、利用者のためにあるというごくあたりまえのことを、出版社や作家もしっかりと認識してほしい。