一度著作権が切れたものは、二度と権利が復活することはないし、してはならない

東京都行政書士会主催の「著作権フォーラム」について、新たな記事がInternet Watchに掲載された。

権利強化を求める権利者サイドの声〜パネルディスカッション
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2004/09/21/4702.html

行政書士は、著作権の権利強化を望んでいるのでしょうか?
それはともかく、この記事には各分野での権利強化の要望が述べられているので、権利強化の動きに対して反対の立場の私には、彼らが何を求めているのかを知る意味では、とても参考になった。
どの主張にもうなずくことはできないが、その中で、一番「それだけは絶対に認められない、認めてはいけない」というのは次の主張だ。

● 一度権利が切れてしまった写真の権利復活を〜写真家ユニオン

日本写真家ユニオンの丹野章氏(左)と、東京都行政書士会の福島信氏(右)
 前の2人とやや毛色の異なる主張を行なったのが、日本写真家ユニオン理事長の丹野章氏だ。丹野氏は「写真の著作物の著作権は数年前にようやく死後50年まで保護されるようになったばかりで、旧著作権法の時代は『発表から10年』だった」と述べた上で、「著作権法の改正の途中で著作権が一度切れてしまった作品が現実に多数存在し、それらについて一度切れてしまった権利は法改正後も復活しないため、土門拳ロバート・キャパなど著名な写真家の作品の多くが勝手に使われても文句が言えない状態になっているし、また無名の写真家の良い作品がこれが原因でゴミとして処分されてしまうケースもかなり出てきている」と語り、一度権利が切れた写真についても、現行著作権法の規定の範囲内で権利を復活できないかという要望を訴えた。

一度権利が切れた著作物について、著作権を復活させることは絶対にあり得ないし、絶対に認めてはいけない。
著作権が切れた著作物はパブリックドメインとして、誰もが自由に利用できる。複製することも自由だし、公衆送信も自由に行うことができる。
しかし、一度著作権が切れたものの著作権が復活してしまうと、これまで適法に誰もが行えたことが、ある日を境に違法になってしまうのだ。
この主張だけは、絶対に認めてはならない。
今年から映画の著作物の権利保護期間は公表後50年から70年に延長されたが、昨年まで過去20年の間に著作権が消滅した映画の著作物については、権利は復活しない。パブリックドメインのままである。
これは写真だけの問題ではないのだ。
再度言う。
一度権利が消滅した著作物について、権利が復活することは、絶対にあり得ないし、絶対に認めてはならない。

ハリーポッターって売れているの?

「ハリポタ」2週天下 「冬ソナ」関連本に1位譲る
http://www.asahi.com/offtime/shopping/TKY200409220245.html

ハリーポッターの最新刊って本当に売れているのだろうか、と思っていたけど、やっぱり。
前回の時は、本当に売れているような雰囲気が書店に行くと感じられていたが、今回は書店や出版業界が無理して盛り上げているように思えた。
ハリーポッターよりも、もっと大事に売って欲しい本は一杯あると私は思うのだが。
今年の前半は「セカチュー」「蹴りたい背中」「バカの壁」のヒットにより、書籍の売り上げは前年を超えているが、さて、今年の後半はどうなるのだろうか。

CMの保存

昔のCM10万本、廃棄の危機 保管コストかさむ
http://www.asahi.com/culture/update/0922/003.html

著作物を保存することの重要性を改めて感じた記事です。
映画にしても、TV番組にしても、CMにしても、きちんと保存すべきものだと私は思います。
マンガもそうでしょう。
図書館もそういったものも保存するよう手を挙げても良いと思うが、映画の著作権存続期間の延長を主張した人達は、映画の保存に関しても責任ある提言をしたのだろうか。
そういえば、音楽の場合ちゃんとした保存機関はあるのかな?

権利強化の主張も良いけど、それを主張するなら、きちんと後世に残す責任も負うべきでしょう。